映画などでよく出てくるヨーロッパの寝台列車ですが、高速鉄道の発達で、ずいぶん減ってしまいました。それでも、長距離の移動が寝ているうちにできる夜行列車は、大いに利用したいものです。寝台料金は高いが、ホテル1泊分と考えれば、クシェット(簡易寝台)などは、むしろホテル代の節約となります。ユーレイルグローバルパス保持者は、寝台券(座席指定券を含む)を追加で購入すれば利用できます。
ヨーロッパ夜行寝台列車の自由旅行情報
ヨーロッパ夜行寝台列車の路線

ヨーロッパの夜行寝台の種類
■ シングル個室寝台
■ ダブル個室寝台
■ ダブル個室寝台
■ トリプル個室寝台
■ 3人部屋相部屋寝台
■ 4人部屋相部屋寝台
■ 6人部屋クシェット(簡易寝台)
■ 4人部屋クシェット(簡易寝台)
■ リクライニングシート
■ 座席
その他、設備の充実度で、コンフォートやデラックス、プラスなどのクラスサービスもあります。
主要夜行寝台列車
ナイトジェット Night Jet
ナイトジェット(Nightjet)は、かつて、ドイツ国鉄(DB)が運行するシティーナイトラインとして運行されていた寝台列車をオーストリア連邦鉄道(ÖBB)が買い取って運行している国際夜行列車サービスで、ウィーン、ミュンヘン、ローマ、ハンブルク、アムステルダムなどヨーロッパの主要都市を結んでいます。車両は座席車、クシェット(簡易寝台)、寝台車で構成され、予算や快適性に応じて選択できます。2023年12月からは新型車両が導入され、個室型の「ミニキャビン」や専用シャワー・トイレ付きの「コンフォート」寝台など、より快適な設備が提供されています。夜間の移動により、日中の時間を有効に活用できるため、観光やビジネスでの移動手段として人気があります。ユーレイルグローバルパス保持者は寝台券を別途購入すれば利用できます。
ユーロナイト Euro night
ユーロナイト(EuroNight、EN)は、ヨーロッパ各国の鉄道会社が協力して運行する国際夜行列車のカテゴリです。座席車、クシェット(簡易寝台)、寝台車を備え、旅のスタイルに合わせた快適な移動が可能です。ウィーン、ブダペスト、ベルリン、ローマ、チューリッヒなどの主要都市を夜間に結び、移動中に睡眠をとることで日中を有効活用できます。
カレドニアンスリーパー Caledonian Sleeper
イギリスのロンドンとスコットランドのエディンバラ、インバネス、グラスゴー、アバティーン、フォートウイリアムを結ぶ夜行列車です。ユーレイルグローバルパスのほかブリットレイルパスでも乗車できます。
ナイトリビエラ
ナイトリビエラ(Night Riviera)は、ロンドン・パディントン駅とイングランド南西部コーンウォール地方のペンザンスを結ぶ、イギリスの夜行列車です。グレート・ウェスタン鉄道(GWR)が運行しており、週6日運行されます。車内には寝台車(1等シングル・ツイン)と標準クラスの座席車があり、寝台利用者には専用ラウンジ利用や軽食、モーニングドリンクのサービスもあります。ユーレイルグローバルパスのほかブリットレイルパスでも乗車できます。
ルシタニア
ルシタニア(Lusitânia)は、スペインのマドリッドとポルトガルのリスボンを結ぶ国際夜行寝台列車です。「トレンホテル(Trenhotel)」形式の快適な寝台列車で、座席車、クシェット(簡易寝台)、寝台車を備え、乗客の予算や快適性に応じて選択できました。1995年から2020年まで運行されていましたが、2020年3月にCOVID-19の影響で運行が停止され、その後再開されていません。現在、スペインとポルトガルの両政府は、2025年前半の再開を目指して協議を進めています。
サンタクロースエキスプレス
フィンランドのヘルシンキとロバニエミ(サンタクロースのふるさと)を結ぶ夜行列車です。ユーレイルグローバルパスの他、ユーレイルスカンジナビアパスやユーレイルフィンランドパスでも乗車できます。