アメリカ United States of America

アメリカ合衆国(アメリカがっしゅうこく、英語: United States of America)は、北アメリカに位置し、大西洋および太平洋に面する連邦共和国。首都はコロンビア特別区(ワシントンD.C.)。

アメリカ合衆国(United States of America)の頭文字を取って「U.S.A.」もしくは「USA」、合衆国(United States)の頭文字を取って「U.S.」もしくは「US」、または単にアメリカ(America)とも称される。日本語おいては、アメリカの漢字音訳から亜米利加、米国(べいこく)または単に米(べい)とも称される。

連邦区および50の州などから構成される[5][6]。うち大陸本土の48州はカナダとメキシコとの間の北アメリカ大陸中央に位置する。アラスカ州は北アメリカ大陸北西部の角に位置し、東ではカナダと、西ではベーリング海峡を挟んでロシアと国境を接している。ハワイ州は太平洋中部に位置する島嶼群である。アメリカは太平洋およびカリブに5つの有人の海外領土および9つの無人の海外領土を有する。国土の総面積は985万平方キロメートルであり、これは世界第3位もしくは第4位である。総人口は3億2700万人であり、これは世界第3位である。

約1万5000年前、パレオ・インディアンはユーラシア大陸から現在の北アメリカ大陸本土に移住し、ヨーロッパ諸国による植民地化は16世紀に始まった。アメリカ合衆国の建国は、大西洋沿岸に沿って位置する13植民地に端を発する。イギリスと同植民地との間の紛争によってアメリカは独立した。1776年7月4日、アメリカ独立戦争におけるイギリスとの交戦時、同植民地の代表はアメリカ独立宣言を全会一致で発布した。1783年9月に同戦争はイギリスからのアメリカの独立の承認により終結し、ヨーロッパの植民地帝国を相手に成功した世界初の独立戦争となった[7][8]。1787年9月17日、現在のアメリカ合衆国憲法が起草された。集合的に権利章典と名付けられた最初の10の修正案は1791年に批准され、多数の基本的な市民の権利および自由を保証することを目的として策定された。マニフェスト・デスティニーの教義に駆られることにより、19世紀を通して米国は北アメリカを横断する頑強な拡大に着手した。これは、先住民の強制退去、新たな領土取得、次第に承認した新たな州を含む[9]。米国史上唯一の内戦である南北戦争は、米国における合法的な奴隷制を終焉に至らせた[10]。19世紀末までに、米国は太平洋まで拡大し[11]、米国経済は成長し始めた[12]。米西戦争に勝利したアメリカ合衆国は 第一次世界大戦中に連合国として参加、本土を戦火に巻き込まれなかったアメリカ合衆国と日本の2カ国は、経済的繁栄を経験したが、日本と違い豊富な資源のあるアメリカ合衆国は世界的な軍事大国としての地位を裏付けた。戦後には共産主義国家を広げないためにロシア革命に内政干渉しシベリア出兵を開始した。

第二次世界大戦には連合国として参戦し、当初は日本にアメリカ本土を空襲されるといったこともあったが、優れた技術力および圧倒的な物量によって戦勝国となった。対ナチス・ドイツ戦後の欧州に大きな影響力を有するようになった他、対大日本帝国戦後のアジア太平洋地域への影響力を有した。戦後にはソビエト連邦と冷戦状態になり、2カ国は世界的な超大国となっていたが、1989年には東欧革命によって社会主義諸国は次々と崩壊、1991年にはソビエト連邦が崩壊、ワルシャワ条約機構も解散、諸外国に駐留しているソビエト連邦軍は完全撤退することになった。冷戦はアメリカ合衆国率いる西側諸国の事実上の勝利となった。冷戦後に建国されたロシア連邦はソビエト連邦時代と違い影響力、経済力そして軍事力が激しく低下しており、北大西洋条約機構はもはや不要の物となっていたが、解散せず旧社会主義諸国だったポーランドやバルト三国などが次々とNATOに加盟し、アメリカ合衆国寄りの国家になっていった(その際にも東欧諸国内に米軍事基地を設立させた)。

21世紀に入ってもアメリカ合衆国が覇権国家として君臨し続けていた(また超大国を上回る極超大国とも言われることがあった。)。経済面でヨーロッパ諸国の衰退と日本がバブル崩壊によって長期低迷しているという反面、GAFAといった自国のIT企業が急成長し世界に影響力を高めた。

アメリカ合衆国は先進国であり、世界最大規模の国民経済を有する経済大国である[13]。WTO、G7、G20、OECD、北大西洋条約機構(NATO)、米州機構、米州相互援助条約などの加盟国でもある。米国経済は、豊富な天然資源および労働者の高度な生産性によって支えられている[14]。米国は脱工業化社会であるとされている一方で、世界最大の製造国のひとつであり続けている[15]。

米国は、2018年の世界の軍事支出の36%を占める世界最大の軍事大国である[16]。世界で初めて核兵器を開発した国であり、日本への原子爆弾投下によって戦争において核兵器を使用したことがある唯一の国である。第二次世界大戦の戦勝国である事から、国際連合安全保障理事会の常任理事国であり、国連から核兵器の保有を合法的に認められている他、NATOの加盟国でもある。アメリカ軍(米軍)は陸軍・海軍・空軍・宇宙軍・海兵隊・沿岸警備隊で構成されており、北米(アメリカ北方軍)・アジア(アメリカインド太平洋軍)・欧州(アメリカ欧州軍)・アフリカ(アメリカアフリカ軍)・中東(アメリカ中央軍)・南米(アメリカ南方軍)など世界中の国家に多数の駐留軍事拠点(米軍基地)を設置し、同盟国などの国家安全保障を担っている。

アメリカ合衆国は2022年現在、国際社会に最も多大な影響を及ぼす政治的・経済的・軍事的勢力であり、世界で最も民族的に多様かつ多文化な国のひとつである他[17]、科学研究および技術革新における世界のリーダー的存在であるともされている。事実上の世界唯一の超大国として君臨している。(ウィキペディアより)