●格安航空券予約購入の注意事項
格安航空券は、安いだけに制約の多い航空券です。表示金額だけにとらわれず、よく理解して、自分にあった航空券を買おう。
表示料金に含まれない費用に注意
燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)
昨今の原油高で、「燃油サーチャージ」なるものが話題になった。燃油サーチャージ(燃油特別付加運賃)とは、燃料の高騰によって、通常の航空運賃では、
通常の運行が困難な状況にあるとき、航空運賃とは別に徴収される特別運賃であり、国土交通省の認可を受けている。しかし、08年夏の場合、ヨーロッパまでの航空運賃が6万円で、燃油サーチャージが6万円という、旅行者からみれば奇怪な運賃表示となり、燃油サーチャージが別立てであることを予約の段階で知らなかった旅行者から、旅行会社へクレームが相次いだ。そこで、旅行会社では申込時点で、燃油サーチャージいくらぐらいになるか旅行者に告知するとか、燃油サーチャージ込みの料金を表示するとかの対応を迫られている。燃油サーチャージは、航空会社ごとに外貨建てで定められた料金で、申し込む旅行会社によって大きく異なることはないが、航空会社ごとの料金を比較する場合は、合計額で比較するようにしないと、安く買ったつもりでも、他の旅行会社や航空会社の方が結果的に安くなる場合も生じる。
空港使用料・訪問地空港税・訪問国出入国税
・保安料・航空保険料など
出発地の空港使用料や帰路便搭乗地の空港税(使用料)また経由空港の使用料(税)・保安料がチケットに切り込まれる(航空会社が代行徴収する)場合は、それらの金額が、チケット発券前に旅行者から徴収される。
また、航空保険料は、旅行者が任意でかける海外旅行傷害保険と異なり、本来航空会社が支払っていた保険料を、9・11テロ事件以来、大幅に値上がったことから、値上がり分を旅行者から追加で徴収するようになったもの。いずれも、航空会社や国、空港、路線毎に決められた額であるので、申し込む旅行会社によってそんなに異なることはないが、最終的には必要な料金なので予算を立てる場合は、航空代金に含めて予算を立てておくべきだ。経由地が多いと、こ
の出費も馬鹿にならない。
航空券送料・空港受取手数料・緊急発券手数料・コンビニ支払い手数料など
これは、あなたが申し込んだ旅行会社が徴収する各種手数料で、旅行会社により必要なところと不要なところがある。安い航空券を比較する場合は、トータルな金額で比較しなければならないのはいうまでもない。
取消手数料・払戻手数料も要確認
日本出発前の日程変更やキャンセルの手数料
日本出発前の変更・取消手数料は、あなたの購入した航空会社や航空券の種類によって異なるが、旅行会社の手数料も含めて、あなたの申し込んだ旅行会社が独自に一律の料金を定めている場合が多い。パッケージツアーなら、出発日の前日から起算してさかのぼって30日(繁忙期は40日)にあたる日から高額な取消料や変更手数料が発生するが、格安航空券の場合は、旅行会社が発券処理する10日前ぐらいまでは、無料か、かかっても少額のケースも多い。申込後に、変更や取消になる可能性のある人は、申し込む前に、変更・取消手数料を確認してから申し込んだ方がよい。
日本出発後の日程変更やキャンセル
日本出発後の変更・取消手数料は、あなたの購入した航空会社や航空券の種類によって異る。ほとんどの格安航空券は、日本出発後は、2区間目帰路便の変更・払い戻しは一切できないし、「IIT」や「PEX」などは往路便を飛んでからは、特殊な事情がないかぎり予約した帰路便には必ず乗らねばならない。(片道利用は不可。)また、ほとんどの格安航空券が、たとえ航空会社に原因があることで帰路便が遅延やフライトキャンセル(運行中止)になっても、他の航空会社の便に振り替えてくれることはほとんどない。次の日
(週)の同じ便や、同じ航空会社の他の乗り継ぎ便を待たねばならない。(正規運賃<ノーマルチケット>ではそういうことはない。)また、航空会社とのそういった交渉も、出発後はすべて自分でするのが原則となる。(旅行会社により、現地連絡センターが有料あるいは無料で対応してくれるサービスがある。)
予約の再確認(リコンファーム)とは
往路便現地到着後、2区間目以降
および帰路便が72時間以上離れている場合は、2区間目以降あるいは帰路便の予約の再確認(リコンファームが必要になる。最近のIITなどの航空券は、リコンファームしなくても予約がキャンセルにはならないが、怠ると、遅延やフライトキャンセルの連絡は、空港に着いてから発覚することになり、対応が遅れる場合があるので、ほとんどの航空会社で、リコンファームを推奨している。オープンチケットなどは、リコンファームを怠ると予約がキャンセルになる場合があるので、必ず再確認する必要がある。